2010年11月15日月曜日

『浅草紙鳴物(あさくさかみなりもん)』

11月14日(日)
15:00@雷門一丁目、二丁目


浅草紙をご存知だろうか?

浅草紙とは、江戸(現東京)の浅草・山谷・千住などで製造された再生紙のことである。
墨が付いた屑紙を水に浸し、叩いて砕き、漉く程度の、非常に簡単なもので、墨などがよく除かれていないため鼠色をしており、よく見ると紙全体にムラが多く、文字が書かれたままの紙片や、人の髪の毛なども混じっていることもあったと言う。悪紙とも言われ、粗悪で下等の紙質だったが安価な塵紙で、江戸庶民に親しまれ、主に鼻紙や落し紙(今のトイレットペーパー)などに常用されたと言われる。

五十嵐靖晃さんは、特定の表現メディアを決めて制作することをしない。作品を作る場の人々と語り合う事からヒントを得て、自由にものを作る作家である。
今回は浅草紙をヒントに作品を制作した。各商店で使わなくなった紙を張り合わせ、浅草という場を巨大な一枚の紙に具現化した。

出来上がった作品を持って、街を練り歩き、紙を頂いた店先で紙をはためかせる。
それはまるで神輿が一枚の紙になったようである。「浅草紙鳴門」を見た人々は、今あるものから、かつてあったものを思い起こさせるような不思議な体験をしただろう。

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